日帰りで行う鼠径ヘルニア手術の考え方

はじめての方へ:日帰りで行う鼠径ヘルニア手術の考え方

こんにちは。本ブログは、毎日の診療で感じたことや、患者さんからよくいただく質問、当院の取り組みを短くわかりやすくお届けします。初回は「はじめての方に伝えたい、日帰り鼠径ヘルニア手術の基本」です。

今日のひとこと

日帰り手術でも最優先は安全性。そのうえで「痛みをできるだけ軽く」「社会復帰を早く」を両立させるのが当院の方針です。

豆知識:脱腸=鼠径ヘルニア?

いわゆる「脱腸」は医学的には鼠径(そけい)ヘルニアと呼び、足の付け根付近からお腹の中の臓器(多くは小腸)が袋状に飛び出す状態です。立つとふくらみ、横になると引っ込むのが典型例。自然治癒は期待できず、根本治療は手術になります。

当院の日帰り手術の考え方

  • 最小侵襲:腹腔鏡アプローチを基本に、創を小さく、出血と痛みを抑えることを目指します。
  • 術前〜術後の一貫管理:麻酔・痛み止め・吐き気対策などをパッケージで最適化。
  • 早期回復:当日帰宅を前提に、歩行・飲水・軽食を安全に再開できるよう支援します。

よくある質問(Q&A)

Q. 放っておくとどうなりますか?

A. 進行するとはまり込み(嵌頓)のリスクが上がります。強い痛みや押しても戻らない状態は受診推奨サインです。

Q. 仕事はいつから復帰できますか?

A. 目安はデスクワークで数日、重い荷物を持つ仕事は医師の指示に従って段階的に。個人差があるため診察時に具体的にご説明します。

Q. メッシュは大丈夫?

A. 現在の標準治療の一つです。適応や素材、固定方法は症状・体格・生活スタイルを踏まえて選択します。

受診の目安

  • 立つとふくらみ、横になると引っ込む
  • 最近ふくらみが大きく、違和感や痛みが増えてきた
  • 押しても戻らない/強い痛み・吐き気が出た(この場合は早めの医療機関受診)

編集後記(本日の気づき)

初診の方ほど「もっと早く相談すればよかった」とおっしゃいます。症状が軽いうちに診断と方針を決めると、術式選択や回復プランに余裕が生まれます。気になるサインがあれば、遠慮なくご相談ください。

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※本記事は一般向け解説です。個別の診断・治療は診察で判断します。