こんにちは、消化器外科医の太田勝也 です。
皆さん、お腹や足の付け根(鼠径部)、太ももの周囲にしこりができて違和感 を感じたことはありませんか?
✅ 寝て押すと引っ込むが、また膨らむ
✅ 痛みはないが、違和感がある
✅ 最近、しこりが大きくなってきた気がする
このような症状がある方は、鼠径ヘルニアの可能性があります!
放置すると、緊急手術が必要になる危険な状態に進行することもあります。
今回は、鼠径ヘルニアについて詳しく解説していきます!
🔹 鼠径ヘルニアとは?
鼠径ヘルニア は、下腹部や足の付け根(鼠径部)から小腸や大腸が飛び出す病気 です。
「脱腸」とも呼ばれ、筋肉や組織が弱くなり、内臓が正常な位置に収まりきらなくなる ことで発症します。
📌 患者さんの主な症状
- 立ったり歩いたりすると鼠径部が膨らむ
- 横になると膨らみが引っ込む
- 違和感や痛みがある(進行すると痛みが強くなる)
✅ この病気は自然に治ることはありません!
治療には 手術が唯一の選択肢 となります。
🔹 鼠径ヘルニアの症状と進行度
鼠径ヘルニアの症状は 重症度に応じて4段階 に分かれます。
1️⃣ 初期症状(違和感のみ)
✅ 鼠径部にしこりができ、軽い違和感を感じる。
✅ 当院の2021年の調査では、約52%の患者さんがこの段階で受診。
2️⃣ しこりが膨らんだり引っ込んだりする
✅ 立つと鼠径部が膨らみ、寝ると自然に治る。
✅ 押すと引っ込むが、徐々に大きくなる傾向がある。
3️⃣ 痛みを伴う
✅ 今まで違和感だけだったものが、痛みを伴うようになる。
✅ 日常生活に支障が出始める。
4️⃣ しこりが戻らなくなる(緊急手術の可能性)
✅ 鼠径部が腫れ、押しても戻らなくなる。
✅ 強い痛みが続き、お腹の中の臓器が完全に脱出してしまう。
✅ 腸閉塞や壊死を引き起こし、命に関わる可能性がある!
📌 「しこりが戻らない」「痛みが強くなった」場合は、すぐに病院を受診してください!
🔹 鼠径ヘルニアになる確率は?
約3万人の患者を対象とした疫学調査によると…
✅ 男性の27%(約4人に1人)
✅ 女性の3%(約30人に1人)
📌 茨城県の男性人口142万人に当てはめると、約38万人が一生のうちに鼠径ヘルニアを経験する計算 になります。
📌 日本では年間14万人が鼠径ヘルニアの手術を受けています。
🔹 鼠径ヘルニアになりやすい人とは?
以下のような人は 特に鼠径ヘルニアになりやすい ので注意しましょう!
✅ 10歳未満の子ども(先天的な要因)
✅ 40歳以上の男性(加齢による筋力低下)
✅ 咳をよくする人(慢性気管支炎・喘息など)
✅ 妊娠・出産経験のある女性
✅ スポーツをよくする人
✅ 重い荷物を持つ仕事の人
✅ 長時間の立ち仕事をしている人
✅ 肥満、腹部手術の既往歴がある人
📌 特に、長時間立ち仕事をする人や、咳をよくする人は要注意です!
🔹 鼠径ヘルニアの治療法
鼠径ヘルニアは薬では治りません。手術が唯一の治療法です!
現在、日本で主に行われている手術法は2種類あります。
1️⃣ 開腹手術(前方到達法)
✅ 鼠径部を 約5cm切開 し、ヘルニアの穴を直接補強する。
✅ 手術時間は 30~40分。
✅ 比較的簡単な手術だが、傷が大きいため痛みが強く、回復が遅い。
2️⃣ 腹腔鏡手術(後方到達法)
✅ 小さな穴からカメラを挿入し、腹腔内からヘルニアを修復 する。
✅ 手術時間は 約1~2時間。
✅ 傷が小さく、痛みが少なく、日帰り手術が可能!
✅ 反対側のヘルニアも同時に確認・修復できる。
✅ 全身麻酔が必要で、高度な技術が求められる。
📌 現在は、体への負担が少なく回復が早い「腹腔鏡手術」が主流になっています。
🔹 病院選びのポイント
鼠径ヘルニアの手術を受ける際は、以下の3点を確認しましょう!
1️⃣ 手術の実績が豊富な病院か?
✅ 治療実績を公開している病院 を選びましょう。
✅ 開腹手術・腹腔鏡手術の両方の実績がある病院 が望ましいです。
2️⃣ 日本内視鏡外科学会 技術認定医の在籍
✅ 腹腔鏡手術を希望する場合は、技術認定医がいる病院を選びましょう。
3️⃣ 術後のフォローアップ体制
✅ 退院後の診察スケジュール(2週間後・2ヶ月後) を確認。
✅ 中長期的なフォローをしてくれる病院 がおすすめ。
🔹 まとめ
✅ 鼠径ヘルニアは、下腹や足の付け根にしこりができる病気。
✅ 進行すると痛みが出て、最悪の場合は緊急手術が必要になる。
✅ 男性の約4人に1人が一生のうちに発症!
✅ 予防は難しく、手術が唯一の治療法!
✅ 傷が小さく、回復が早い「腹腔鏡手術」が主流。
✅ 手術実績・認定医の在籍・術後フォローが充実している病院を選ぶことが大切!
🔹 こんな症状がある方は受診を!
✅ 足の付け根にしこりがある
✅ 立つと膨らみ、寝ると治る
✅ 痛みを感じるようになった
これらの症状がある方は、早めに医療機関を受診してください!
一刻も早く治し、元の生活に戻れることを願っています。
消化器外科医 太田勝也 でした!
- 日本ヘルニア学会(https://www.hernia.gr.jp/)
- 鼠径部ヘルニア診療ガイドライン(https://www.jsembh.gr.jp/)
- 鼠径ヘルニアの診察予約(https://higaeri.otaiin.com/reservation/)