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鼠径部ヘルニア術後の日常生活について
鼠径部ヘルニアの手術後、日常生活への復帰は比較的早く、翌日から軽い動作は可能です。しかし、術後の回復を妨げないよう、特定の行動には注意が必要です。特に性行為や自慰行為については、多くの患者さんが気にするポイントですが、医師に直接相談しにくい内容でもあります。
本記事では、鼠径部ヘルニア手術後の性行為や自慰行為の再開時期と、安全に行うためのポイントについて詳しく解説します。
術後の日常生活と回復のポイント
鼠径部ヘルニアの手術では、メッシュを使って体内の穴を補強します。このメッシュがしっかりと定着するまでの間は、以下のような動作を避ける必要があります。
避けるべき動作
- 膝を曲げる動作(スクワットや深い屈伸)
- 前かがみの姿勢(重い物を持ち上げる際など)
- 腹圧をかける行為(強く力む動作や激しい運動)
- 自転車・ゴルフ・テニスなどの下半身を使うスポーツ
また、重い物を持つ際は膝を使わず、上半身だけで持ち上げるようにすると負担を軽減できます。
術後の自慰行為について
自慰行為は手術の翌日から可能ですが、以下の注意点を守ることが重要です。
安全に行うためのポイント
- 膝を曲げない(仰向けになって足をまっすぐ伸ばした状態が望ましい)
- 前かがみの姿勢を避ける(机に寄りかかるなどの姿勢はNG)
- 力まない(強い力みは腹圧をかけ、メッシュのズレを引き起こす可能性がある)
術後の性行為について
性行為は術後2週間は避けることが推奨されます。特に以下の3つの体位は、鼠径部に負担がかかるため、術後すぐの段階では避けたほうが良いでしょう。
避けるべき体位
- 立位(スタンディングポジション)
- 膝を使うため、負荷がかかりやすい。
- 騎乗位(女性が上に乗る体位)
- 太ももや腹筋を使うため、鼠径部への負担が大きい。
- バック(ドギースタイル)
- 腹圧がかかりやすく、メッシュのズレにつながる可能性がある。
術後2週間以内に可能な体位(女性が患者の場合)
男性が上から乗る形で、女性がうつ伏せの状態で膝を伸ばしていれば、負担が少ないと考えられます。ただし、痛みや違和感がある場合は無理をせず、中止してください。
まとめ
鼠径部ヘルニア手術後の性行為や自慰行為については、以下のポイントを守ることで、安全に回復期間を過ごせます。
- 自慰行為は術後翌日から可能(膝を曲げず、力まない姿勢で)
- 性行為は最低2週間待つ(特に負担のかかる体位を避ける)
- 術後の違和感や痛みがある場合は無理をしない
- 初回の外来診察(2週間後)で問題がなければ日常生活に復帰可能
体調や回復の進み具合には個人差があるため、不安な場合は医師に相談することをおすすめします。