目次
鼠径ヘルニアとは
鼠径(そけい)ヘルニアは、いわゆる「脱腸」とも呼ばれる病気です。下腹部の筋肉の隙間から腸や腹膜が皮膚の下に出てきてしまう状態を指します。
主な症状
- お腹に力を入れたときに足の付け根がポコッと膨らむ
- 成人では特に男性に多く発症
自然治癒について
結論:自然治癒はほぼありません
多くの方が「放っておけば治るのでは?」と考えがちですが、成人の鼠径ヘルニアは自然治癒しません。
なぜ自然に治らないのか
- 筋肉や筋膜が裂けてできた”穴”は自然に塞がらない
- 一時的に膨らみが引っ込んでも、根本的には改善していない
- 時間が経つと再び症状が現れる
放置することのリスク
手術をしないまま放置すると、以下のような重大なリスクがあります。
1. 嵌頓(かんとん)- 最も危険な合併症
- 腸が飛び出したまま戻らなくなる状態
- 血流が途絶えて腸が壊死する危険性
- 症状:激しい痛み、嘔吐、腸閉塞
- 対処:緊急手術が必要
2. 日常生活への影響
- 立ち仕事や運動で膨らみが大きくなる
- 痛みや違和感の増加
- お腹に力を入れられず、仕事やスポーツに支障
- 趣味や日常活動の制限
3. 慢性的な不快感
- 膨らみや違和感による歩きづらさ
- 皮膚の炎症
- 見た目の悩み
- これらの症状の長期化
治療方法
根本的な治療は手術のみ
鼠径ヘルニアを根本から治せるのは手術だけです。薬や運動療法では治療できません。
現在主流の治療法:日帰り手術(メッシュ法)
手術の特徴
- 麻酔:全身麻酔または局所麻酔を選択可能
- 負担:皮膚を大きく切らず、体への負担が少ない
- 回復:翌日から軽い動作が可能
- 再発率:非常に低い
- 手術時間:30〜60分程度
術後の回復
- 多くの方が数日〜1週間で通常生活に復帰
- 仕事や家事への復帰も早期に可能
まとめ
重要なポイント
- 成人の鼠径ヘルニアは自然には治らない
- 放置すると嵌頓などの生命に関わる危険がある
- 根本治療は手術のみ
早期受診の重要性
「まだ小さいから」「痛くないから」と放置していると、突然の緊急手術が必要になるケースがあります。
違和感や膨らみを感じたら、早めに専門医へ相談することが最も安全な選択です。
受診・ご相談について
当院では鼠径ヘルニアの日帰り手術に対応し、痛みを最小限に抑えた最新の治療を行っています。
診察・手術のご相談は、お電話またはWEB予約からお気軽にお問い合わせください。