こんにちは、外科医の太田勝也 です。
今回は、私が腹腔鏡下手術で使用している道具 についてご紹介します。
実際の手術で使用する道具は、意外とシンプルで、7種類の器具 が基本になります。
これらの道具を適切に使い分けることで、安全で精密な手術が可能になります。
では、早速見ていきましょう!
🔹 腹腔鏡手術で使用する基本の道具
1️⃣ クローチェ(腸鉗子)
✅ 特徴
- 先端が片方だけ動く
- 腸を動かしたり、臓器を避けたりする のに使用
- 長さ 約34~35cm
📌 主に右手で使用する道具です。
2️⃣ マンチーナ
✅ 特徴
- クローチェより細く、精密な操作に適している
- 左手で使用することが多い
- 物をつかむための器具
📌 クローチェが大きな操作用なら、マンチーナは細かい操作用です。
3️⃣ メリーランド鉗子
✅ 特徴
- 先端がさらに細く、より繊細な操作に適している
- 神経や血管などの細かい組織を扱うのに使用
📌 精密な作業を行うときに欠かせない道具です。
4️⃣ 持針器(じしんき)
✅ 特徴
- 針を持ち、縫合を行うための道具
- 強い力でしっかり針を固定できる
📌 外科医にとって、縫合は非常に重要な工程です。
📌 持針器を使いこなすことで、美しく正確な縫合が可能になります。
5️⃣ エンドシザーズ(はさみ)
✅ 特徴
- 先端が細かく、ミリ単位での切開が可能
- 必要な組織をピンポイントで切る ために使用
📌 手術では、大きく切ることはほとんどありません。
📌 先端のごく一部を使い、慎重に切開します。
6️⃣ 電気メス
✅ 特徴
- 高温(約800度)で組織を切開・止血 できる
- 「カット」と「凝固」の2種類のモードがあり、使い分けが可能
📌 電気メスを使うことで、出血を最小限に抑えることができます。
📌 安全に手術を進めるための重要な道具です。
7️⃣ 超音波凝固切開装置
✅ 特徴
- 超音波の振動を利用して、組織を凝固しながら切開できる
- 出血を抑えながら手術が可能
📌 電気メスと並び、止血をしながらの手術には欠かせません!
🔹 手術道具の管理と滅菌処理
手術道具は、患者さんの体に直接触れるため、徹底した滅菌処理 が必要です。
✅ 洗浄
- 血液やタンパク質を除去 するために、洗浄剤に15分間浸す。
- 歯ブラシなどを使って細かい部分までしっかり洗う。
✅ 滅菌処理
- 132度の高温で完全滅菌
- ウイルス・細菌・カビなどを完全除去!
📌 この工程をしっかり行うことで、安全な手術環境が保たれます。
🔹 道具の価格は?
手術に使用する器具は高価で、例えば…
✅ 鉗子(クローチェ・マンチーナ) → 1本約4~5万円
✅ 持針器 → 約10万円
✅ 電気メスの持ち手部分 → 約5万円
📌 道具1本だけでも高価ですが、これが「命を守るための道具」です。
🔹 まとめ
腹腔鏡手術では、7種類の道具を使い分けて手術を行います。
- クローチェ(腸鉗子) → 臓器を避ける
- マンチーナ → 物をつかむ
- メリーランド鉗子 → 精密な操作用
- 持針器 → 縫合用
- エンドシザーズ → 切開用
- 電気メス → 切開と止血
- 超音波凝固切開装置 → 出血を抑えながらの切開
📌 これらの道具を使いこなすことで、安全で精密な手術が可能になります!
🔹 もっと詳しく知りたい方へ!
もし 手術の道具についてもっと知りたい方 は、ぜひお問い合わせください!
手術は、道具を知ることで 「どのように安全に行われているのか」 を理解できます。
患者さんにとっても、安心して手術を受けるための知識 になるでしょう。
太田勝也 でした!