こんにちは、外科医の太田勝也です。
「お尻に違和感がある」「出血が気になる」「痛みがある」
このような症状でお悩みの方はいませんか?
肛門の病気には切れ痔・いぼ痔・穴痔・腫瘍などさまざまな種類がありますが、**最も多いのが「いぼ痔(内痔核)」**です。
今回は、いぼ痔の原因・治療法・日帰り手術の方法について詳しく解説します!
1. いぼ痔(内痔核)とは?
いぼ痔とは、肛門のクッション部分が膨れ上がり、肛門の外に出てしまう病気です。
💡 肛門のクッションとは?
肛門には**「静脈の集まり」**がクッションの役割を果たしており、排便時の衝撃を和らげたり、便やガスの漏れを防いだりしています。
しかし、長時間の座位・便秘・下痢などで負担がかかると、このクッションが腫れてしまい、「いぼ痔(内痔核)」が発生します。
2. いぼ痔(内痔核)の原因とリスク要因
いぼ痔の原因は生活習慣の乱れが大きく関係しています。
✅ なりやすい生活習慣・環境
❌ 便秘や下痢を繰り返している
❌ 朝食を抜くことが多い
❌ 食物繊維の不足(豆類・海藻類をあまり摂らない)
❌ デスクワークや長時間の座り仕事が多い
❌ 重いものを持つ作業が多い(力仕事・運動習慣)
➡️ これらの習慣を見直すことが、いぼ痔の予防・改善につながります!
3. いぼ痔の進行度と治療法の選択
いぼ痔は進行度によって**「1度~4度」**に分類され、治療法が異なります。
✅ いぼ痔の進行度と症状
進行度 | 症状 | 治療法 |
---|---|---|
1度 | 出っ張りが直腸内に収まる | 生活習慣改善・薬物療法(軟膏・座薬) |
2度 | 排便時に飛び出すが自然に戻る | 生活習慣改善・注射治療(アルタ療法) |
3度 | 指で押さないと戻らない | 注射治療(アルタ療法)・手術 |
4度 | 指で押しても戻らない(常に脱出) | 手術(痔核切除術) |
4. いぼ痔を切らずに治す「アルタ療法(ジオン注)」とは?
**アルタ療法(ジオン注射)**は、手術せずに注射でいぼ痔を縮小させる最新の治療法です。
💉 アルタ療法の仕組み
- 「ジオン」という硬化剤をいぼ痔に直接注射する
- 血流を減らし、いぼ痔を縮小・硬化させる
- 約4週間で痔が小さくなり、排便時の出血や痛みが改善
✅ アルタ療法の特徴
✔ 手術不要! 肛門を切らずに治療ができる
✔ 日帰り手術可能! 治療後1~2時間の経過観察のみ
✔ 再発率が低い! 効果が長続きする
⛔ アルタ療法の副作用
一時的に頭痛・血圧低下・発熱が起こることがあります。
➡️ そのため、治療後は病院で1時間ほど様子をみてから帰宅します。
5. 進行したいぼ痔には手術が必要!
3度~4度のいぼ痔で、痛みや出血が強い場合は「痔核切除術」が必要になります。
✅ いぼ痔の手術方法
- 結紮切除術(痔を根本から切除)
- PPH(吻合器による痔核切除術)(切除+肛門の引き締め)
- ALTA療法と組み合わせた治療(注射+切除)
術後は約1週間程度のダウンタイムが必要ですが、再発リスクは低くなります。
6. いぼ痔を予防・改善するための生活習慣
いぼ痔は生活習慣の改善で進行を防ぐことができます!
✅ いぼ痔予防のポイント
✔ 食物繊維をしっかり摂る(豆類・海藻・野菜)
✔ 水分を1日1.5~2L摂る
✔ 適度な運動(30分のウォーキングなど)
✔ 排便習慣を整える(便秘・下痢を防ぐ)
✔ 長時間の座位を避ける(デスクワークは1時間ごとに立ち上がる)
➡️ これらを実践することで、いぼ痔の再発を防ぐことができます!
7. まとめ:いぼ痔は早期発見・適切な治療が大切!
いぼ痔(内痔核)は、放置すると出血・痛み・脱出が悪化し、手術が必要になることもあります。
🔹 こんな症状がある方は、早めに専門医を受診しましょう!
✅ 排便時の出血がある
✅ 肛門に違和感やしこりがある
✅ 痛みが続いている
✅ 指で押さないと戻らない
日帰り治療(アルタ療法)も可能!
手術を避けたい方は、早めの診察をおすすめします!
お尻の違和感や痛みがある方は、ぜひ専門医に相談してください。
皆さんの健康を願っています。
外科医・太田勝也でした!